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小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

営業はお客さんに事実を伝えるだけ。

マネジメント

 先日、あるセミナーでいいお話を聞いたのでご紹介したいと思います。このブログがテーマにしている飲食店についてではありませんが、営業についてのお話しでしたので参考になればと思います。

営業は事実を伝えるだけで売ることではない

 よく営業とは、お客さんの問題解決をすることが仕事であって、物を売ることではないということを耳にします。これは通常ですとBtoBの場面で言われることですが、末端の消費者との間でも通用します。例を挙げると家電販売では価格やポイントばかりに目が行きがちですが、自宅に運んで設置をしてくれる街の電気屋さんが売り上げをグングン伸ばしている例があります。購入後数か月経っても電話一本で駆けつけてくれ、わからないことにはしっかり答えてくれるようなアフターサービスが、消費者の心をとらえていたりする例です。

 飲食店での例を挙げると、揚げ物は好きだけど自宅で作るのは面倒で汚れるし何より油の処理が大変、でもスーパーの総菜ではちょっと…やっぱり揚げたてをホクホクしながら食べたい、というニーズがあるでしょう。これも飲食店が出来る一つの問題解決でしょう。

 

 先のタイトルに書いた「営業は事実を伝えるだけ」というのは、住宅ローン、自動車保険や生命保険、携帯電話、各種公共料金、クレジットカードなどお金に関する問題解決の例です。要するに「今のあなたの契約だと、プロの私が試算すると月々いくら損をしますよ、年額で〇万円です。これが一生だと〇百万円にもなるんですよ」という分析した事実です。これをお客さんの話に耳を傾けながら真摯に事実を伝えてあげれば、お客さんの方から「お世話になります。どうぞよろしくお願いします」と寄って来るというのです。

 

 日ごろ飲食店で勤めていて、ウチのお店でお客さんに対して問題解決が出来るとしたらどういうことが出来るだろう、と考えている人はそう多くないと思います。地方から一人で出てきている学生のお客が多いお店だとしたら、いまどき珍しいかもしれませんが、ツケで食べさせてあげるなんてことも問題解決かもしれません。高齢の一人暮らしが多ければ、食材さえを持ってきてくれればメニューにはないけれど、食べたい料理を代わりに作ってあげます、なんてサービスも問題解決かもしれません。常識でものを考えずに、お客さんが日々の食生活で何に困っているのだろうか、何をしてほしいのだろうか、と考えてみることです。それこそがチェーン店では真似が出来ない、あなたにしかできないオリジナルの売りになり得ます。

 

 そうそう、これを書いている途中、このブログのタイトルが「小さな飲食店の問題解決」だということを思い出しました。ブログを読んでいただいているみなさんに、私が経験してきたことを正しく伝えることを心がけようと思います。

上海にて。「蒸す」は五感に訴える料理

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 2日ぶりのブログ更新です。

 週末で中国の上海に行ってきました。プライベートなひとり旅ですのでほぼノープラン。仕事がらどうしても飲食店や食品売り場が気になるため、日程の半分くらいは食べ物関係の場所を訪れていた感じがします。今日は現地で感じたことや、みなさんのお店でヒントになりそうなことをお伝えしたいと思います。

とにかく人が多くて胃袋がたくさんある

 上海市の人口は2千4百万人を超えるそうです。私は人口に比例して食べ物商売の数は比例すると考えていますので、単純に人口が多ければ1店舗あたりのお客の数が増えるなどとは思っていませんが、人口密度は客数に大きな関係があると思います。通常大都市になればなるほど郊外へと発展する一方で、中心部は再開発で高層へと発展していきます。日本は建築に関する法律の関係で人口が過密な地域はほとんどありませんが、アジアの大都市は違います。

 それともう一点、1週間のうち何回外食をするかという点によるところも大きいと思います。気候が温暖になればなるほど、自宅より外で食べる習慣が高くなるのではないかと感じています。

 また、日本はコンビニの数が尋常ではないくらい多いですし、スーパーなどで手軽に食事を調達できる点は他国と大きく異なります。仮にアジアの各国と比べて自宅で調理する割合がさほど変らなかったとしても、本来は外食に流れる人々が中食で済ませているということになり、飲食店にとってはハンデキャップだと考えざるを得ません。

 

ひとりで出来る商売がある

 中国や台湾、シンガポールなどではそれこそ本当に小さな飲食店がたくさんあります。小吃と書かれたお店で、相席が当たり前のテーブル席が数個のお店です。イメージ的には昔のラーメン屋さんです。こういうお店はたいてい1~2人で運営しています。

 もう一つ、屋台があります。シンガポールではホーカーズと言って屋台村のような感じで屋内に集合体があります。マレーシアやタイ、台湾も屋台が多いです。こういうお店もほぼ1人運営で多くても2人です。この類は自前の客席がなかったり、歩道に椅子とテーブルが置かれていることが多いです。

 要するに文化が違うので、日本のように一人で接客を丁寧にやって、調理もしっかりやって、お客は要求レベルが高いなんていうのが物凄いハンデキャップだと考えられます。1人オペレーションに関する寛容さが違います。

食べ物商売に対する行政の態度が違う

 前項の続きなりますが、日本では移動販売や屋台に関する規制が厳しく、道路交通法での道路使用許可だったり、保険所の営業許可だったり、法律の関係で認可が下りることがないでしょう。ですから勝手にその辺で屋台を引いて商売するなんてことができないのです。でも日本人だってお祭りごとは好きで、お祭りの出店は賑わいます。海外旅行でも人気があるのは、韓国なら明洞周辺で賑わう夜の屋台ですし、台北なら夜市です。ですからこういうスタイルの小さな飲食店は、法律による規制が厳しくなければ出店して成功する可能性は高いと見込まれます。

蒸す料理は売れるかも

 さて上海は小籠包で有名ですが、至る所でセイロで蒸した饅頭やシューマイ、煮豚や野菜も小さなセイロで売られています。蒸すという料理は家庭料理ではあまり縁がないため親しみがありませんが、蒸かした肉まんや小籠包が嫌いだという人はあまりいないと思います。またセイロ特有の香りや湯気が立つので、五感に訴える料理だと私は感じました。

 また日本は沖縄を除き全国的に冬は寒いので、温かい蒸し料理は売れるのではないかと思います。それと、私は実演製造の業態で店頭に立っていた経験がありまして、たこ焼きのGだこさんや、焼き鳥のN本一さんなどが小さな飲食店よりも売上が高いことを知っています。特に焼き鳥は食卓に上がることもありますし、1本だけ購入するということもほとんどありませんから単価は100円でも客単価は500円以上になります。そのように考えると、セイロで蒸す料理は、食卓に上がり単価も高いという条件を満たすため、これから新しい業態で何かを始めようと考えるならば、おすすめできると思います。イメージの参考に画像を1枚貼っておきます。

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勝っているうちに身を引く

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 先日の記事でビジネスの視点で、ということを書きました。今日もビジネスの視点で考えてみたいと思います。

 

競合が多い世界でトップを走り続けることは不可能

 飲食店に限らずどんな商売でも、またスポーツの世界でもゲームの世界でも参入者が多い世界では、長くトップを走り続けるということは不可能に近いです。あなたのお店が地域ナンバーワンであったとしても長く続けることはできないのです。

 この記事は筆者の主観で書かれたものですから、あなたがどう捉えるかによって判断が異なるでしょうが、歴史を見る限りでは一代で成功する例はあっても、小さな飲食店のように成長せずに細々と勝ち続ける例はお目にかかったことはありません。

 

 筆者が出店していたお店は、読者の投稿による某グルメサイトでしばらくの間地域ナンバーワンの評価を得ており、当時のランチタイムは本当に満席状態が数回転続き、売上も絶好調でした。自作で立ち上げた無料ホームページも稚拙な内容でしたがアクセス数が高いらしく、無料ホームページサービスを提供する会社様から案件を提案されたことがあったくらいです。ところがそういうのって長く続かないんですよ。理由はいろいろあったのだと振り返りますが、一番の理由はブームでしょうか。それが去ると常連さんは残るのですが、そうではないお客さんは下降して下げ止まりするんです。この下げ止まりの状態が「安定期」言い換えるならばこのお店の「本当の実力」なのだと思います。

 

 当時はこの「本当の実力」がわからずに、なぜ売上が低迷しているのだろうと毎日真剣に悩んだものです。身を引いてからわかりました。

 

 チェーン店ではこういう事象がほとんどないですし、本部の社員以外は深く考えることがありませんが、ブランドがない小さな飲食店ではこういうことがあるのです。何度か過去の文中でも触れたかと思いますが、小さな飲食店とチェーン店では飲食店という同じカテゴリーにあっても、あらゆる面で実態が違うと言えます。それは机上での理屈ではなく、実際に両方で経験してみてわかることでした。

 

 あなたのお店がお店をオープンして軌道に乗り、高く飛んでいる時期であったり、下降して低空飛行している時期のいずれにあるようであれば、この記事の内容を少し役立ててもらいたいと思います。一度低空飛行に移行すると、再浮上は非常に困難だと言えます。繰り返しますが、低空飛行は売り上げの低迷ではなくてお店の実力なのだということです。ですから再度高く飛ぼうと思わずに、身を引くことも検討すべきだと思います。

 

 なお、この身を引くということは撤退・廃業といったネガティブなものだけではありません。チェーン店では業態変更というのをよくやります。中身はほぼ同じですが、看板だけ換えることもよくやります。移転も選択肢の一つです。中途半端なリニューアルはおすすめしません。また、低空飛行が長く続くと資金が目減りしてしまい、廃業しか選択肢がなくなることがあります。そうなる前に積極的な施策を打つことを推奨します。

 

【読者の方へお知らせ】午後から中国へ渡航しますので、明日から2日以上更新をお休みします。申し訳ございません。